2024年12月31日

昭和100年、バンザイ!

昭和100年、バンザイ!

令和6年もいよいよ終わり、新しい年が始まる。この令和7年は西暦でいえば2025年で、1926年の昭和元年から数えて100年目にあたる。つまり、昭和100年なのだ。筆者のような昭和生まれにとって、これは何ともめでたい気がするなあ。昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御され、翌日から平成が始まったのだが、思えば昭和世代はその日以来、どこか違う土地に強制移住させられたような、微妙なサビしさを感じて来たのだ。ああ、いつか生まれた土地に帰りたい、なんてね。

その意味で昭和100年は、忘れていた時代の景色を思い出させる、区切りのいい一年になりそうだ。なんたって、64年間も続いた昭和の時代だ。人間ならば、ざっと二世代。その間に生まれた男女は筆者を含め、今や日本人の圧倒的多数を占めるだろう。しかも、激動の波はあまりに大きかった。昭和5年の大恐慌に始まり、翌6年に勃発した満州事変からの中国大陸の戦火は、やがて日中戦争や米英を相手にした太平洋戦争へと広がる。そして昭和20年の壊滅的な敗戦の後、焼け跡から復興した日本は驚異的な高度経済成長時代を経て、ついには世界第2位の経済大国に成長。昭和の終わり頃には、バブル景気なんてのもあったっけ。まるでジェットコースターだな。

なので戦後生まれの筆者には、昭和といえば経済がグングン上り坂で、華やかな大衆文化が花開いた時代というイメージが強いのだ。つまり好景気の時代ってわけ。音楽だってJ-POPなんて言葉もまだ一般的ではなく、人々は今でいう「昭和歌謡」を老いも若きも歌っていた。こうなると考えられるのは、2025年に到来する「昭和歌謡」の大ブームだ。テレビの地上波番組では前年あたりからその傾向が見られたが、いよいよ昭和100年を迎えて、本格的に懐かしい「昭和歌謡」が復活するんじゃなかろうか。

なんたって、昭和の歌謡曲には名曲が多い。演歌系にポップス系、フォーク系にニューミュージック系など、色とりどりの歌謡曲は歌詞もメロディも歌いやすく、しかも短い中に工夫を凝らした作りになっている。昭和の人々は子供から大人まで同じ歌を口ずさみ、それを一つの時代の記念碑として来たのだ。年末のレコード大賞や紅白歌合戦では、まるで一年を総括するように、その年の代表的なヒット曲が歌われ、国民はそれらの歌を聴きながら自分の一年を振り返った。「歌は世につれ、世は歌につれ」なんて言葉もあったもんなあ。

それもこれも昭和の歌謡曲には、万人の心を掴む魅力があったからだろう。それがいつの間にか「歌謡曲」というジャンルが消え去り、J-POPというものに置き換わってしまった。世の中の一部の世代にはバカ受けするが、ほかの世代はまるで蚊帳の外という曲ばかりが増え、いつかレコード大賞も紅白歌合戦も空洞化してしまったのだ。つまり、ほとんどの人が今年流行った歌が分からない。国民は自分の一年を振り返る歌を、昭和という時代とともに喪失してしまったわけだ。これを音楽の進化と言うのだろうか…?

ところが近年、音楽シーンに大きな変化があらわれた。YouTubeのおかげで、昭和の歌謡曲がいつでも聴ける環境が出来たのだ。老いも若きも外国人もクリックひとつで、気軽にあの時代の音楽を聴けるようになり、忘れていた名曲が蘇ったというわけ。これは革命的だったね。違法アップロードから合法的なものまで、今やYouTubeは「昭和歌謡」のパラダイスだ。当時を懐かしむリアルタイム世代から、初めて聴いて新鮮さを感じる若い世代、また外国人でこれにハマる人々など、再評価の声は大いに高まっている。なんといっても、歌詞もメロディも聴きやすく歌いやすい曲ばかり。筆者的には、ぜひ「昭和歌謡」の大ブームが起きて欲しいね。

他にも昭和といえば、若い男たちの長髪にベルボトムといったヒッピースタイルや、若い女の子のミニスカートブームもあったし、ブーツが流行ったりもしたなあ。そうそう、サイケデリックファッションってのもあったっけ。また、アンノン族がスカした格好(失礼!)で、わけもなく田舎をブラついたりもしたものだ。ファッションのトレンドは繰り返すと言うから、こうした昭和スタイルが手を替え品を替えて、再登場することも十分に考えられるな。そうなると筆者としては、ミニスカートブームの再来が待ち遠しい。

とにかく昭和の良さは、現代人が失くしたり忘れたりしたものを、思い出させてくれる点にあるのだろう。そこには温かな手触りがあり、アナログの人間くささがあり、活気に満ちた若者の文化があり、懐かしくも混沌とした風景があった。泥だらけでもとにかく前進する、ラグビーのフォワードのような勢いがあった。少しばかりカッコ悪くても良いじゃないか。昭和100年を契機に、日本人みんなであの頃の上り坂の気概を取り戻したいものだ。



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Posted by 桜乱坊  at 12:03 │Comments(0)身辺雑記

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