2012年11月10日

フィリピンバナナが安い!



最近、スーパーなどに行くと特売のバナナをよく見掛ける。まだ少し付け根の部分が青い若々しいバナナの房が、ワゴンの上に山盛りになったりしているのだ。これが驚くほど安いので筆者などはつい買ってしまうのだが、やはり子供の頃にバナナが高級品だったという積年の恨みが、ついそうさせてしまうのだろうか。ともあれ、安いバナナはいい。

これらの特売バナナはフィリピン産で、もともと日本のバナナの多くは同国からの輸入ものだとか。だが、これが近ごろ店頭で値下がりしているのには、どうやら事情があるようだ。それも国際的な、ちょっとキナ臭い裏事情が…。ズバリ言えば、そこにはあの中国の影があるのだという。

東南アジアの島嶼国家フィリピンは、南シナ海にも多くの島々を抱えている。そこへ、近年になって進出してきたのが中国だ。かの国は、軍事力を背景に南シナ海に覇権をとなえ、そこにある島々の領有権をめぐって、東南アジア諸国と紛争を繰り返している。相変わらずヤクザな国だ。フィリピンもその相手国の一つで、南沙諸島やスカボロー礁の領有権問題で、両者は激しく対立しているという。なにしろ、それらの海は豊かな漁場らしいのだ。

例によって中国は、フィリピンにいろんな圧力を掛けている。その圧力の一つが同国の農産物にも向けられ、これまで輸出用バナナのお得意様だった中国は、今年になって大幅に検疫を強化。これは事実上の輸入規制で、フィリピンのバナナ産業は大打撃を被ったらしい。「そんなバナナ!」という奴だ。どこかで聞いた話だと思ったら、これは尖閣諸島の領有権を主張して、近ごろわが国に様々な嫌がらせをして来る中国の、お得意の行動パターンではないか…。

で、中国向けバナナの輸出が減り、困り果てたフィリピンが頼りにしているのが、この日本というわけ。いまやわが国へのバナナ輸出量は急激に増え、その価格がグンと下がっている。お陰で筆者も、安いバナナの恩恵にあずかっている──。まあ、何だか長い講釈になってしまったが、結果には必ず原因があるということだ。これは、世界がグローバル化している一つの証しでもあるのだろう。

しかし、対中国という立場でいえば現在、日本とフィリピンはとてもよく似た状況にある。軍事力にモノを言わせたかの国の横車に対し、両国は一歩も引くわけには行かないのだ。それに、フィリピンは親日国だものな。同病相哀れむじゃないが、ここはわれわれ日本人もフィリピンを助けるため、せっせと同国産バナナを食べるべきだろう。つまり、アンドレ・ザ・ジャイアントみたいな中国と闘うには、バナナでタッグを組む方が良いということだ。

そんなわけでバナナはいま食べどきなのだが、ただし、いくら安いといっても気を付けなくてはならないこともある。それはまだ少し青っぽいものを買ったときで、これをすぐに剥いて食べても、身はまだ硬く甘みも香りも少ないため、たいていの人はガッカリすることになる。慌てる乞食はナンとやら──。熟成してない果物は熟成してない人間と同じで、煮ても焼いても食えないんだよね。

筆者ならこんな青っぽいバナナはすぐには食べず、ビニールなどの密閉した袋に入れてしばらく寝かせておく。で、常温で一週間ほど置いておくと、中でエチレンガスがよく回り、黄色く熟れた状態になる。いちばんの食べごろは、黄色い皮の表面にソバカスのような斑点、つまりスイートスポットがポツポツ現れたときで、このときならもう甘みも香りも十分なのだ。ただし、この斑点が黒く大きくなりすぎると、熟れ過ぎて中身が少しグチャッとした感じになるので要注意。

ほどよく熟れたバナナは本当にうまい。しかも、他の果物に比べてベラボーに安いのも魅力の一つだ。「お腹がすいたらス◯ッカーズ」というチョコレートのCMがあるが、あんな甘いお菓子より一本のバナナを食べる方が、はるかに低コスト低カロリーで満腹感がある。しかも、カリウムやマグネシウムにビタミン類も豊富なバナナは、立派な健康食品でもあるもんなあ。ここはやはり、東南アジアのタッグパートナーを助けるためにも、「お腹がすいたらバナナ」にするべきだろう。  


Posted by 桜乱坊  at 12:01Comments(0)食べ物など